11月例会の報告
〜「「人工内耳装着者の体験談」と「なんでも語ろうや」〜
午前の部では、人工内耳装用者3名の方の体験談でした。人工内耳手術を受けるまでは、家庭や会社での周囲とのコミュニケーションがうまく取れず、悩んでいましたが、手術後は音が聞きとれてコミュニケーションができ、人から表情が以前よりも明るくなったといわれたそうです。
また、手術後の「音入れ」は、1音節から徐々に聞き取れる言葉の範囲を広げていき、最後には文章の聞き取りをするとのことでした。そして、慣れるためには、いろいろな場所・状況に接するように心がけるのが良いとのことでした。
人工内耳手術のデメリットとしては、めまい、顔面神経麻痺、味覚神経麻痺などが起こる場合もあるそうで、味覚神経麻痺は通常、半年以内で回復するそうです。頭頸部手術では使用不可の器具があり、MRIの検査は対応できない場合もあるので要注意です。また補聴器と比べて電池代がかさむこと、体外機器のスピーチプロセッサは高額で修理不能なものもあるそうです。
大切なことは、難聴という障がいはあるが、それを補う物があることで、生活の質が向上することであるなどを話されました。
午後の部は、初めに新入会された方の体験談でした。その中で、ある講演会での「耳で聴かず、脳で聴く」の言葉が心に残っていることや、「三重難聴の皆さんの話を見て、元気をもらっている」ので、これからも三重難聴の活動に積極的に参加していくとの決意を披瀝されました。
次に、「何でも語ろうや〜私が受けた困ったことについて〜」と題して、一人ひとりが、困ったことや日頃感じていることなど自由に話しました。職場での同僚の態度、身内からの自分に対する扱いなど、自分の障がいを分かってもらえないときに、困ったり腹が立ったりする等の話がありました。また、医療現場でのコミュニケーションに困った話や失敗談も語られました。さらに、自分のことを周りに知ってもらうために耳マークの名札やバッジを常に着けているとか、障がいを受け入れることはなかなか難しいが、「それなりに楽しくすることが大事である」との話もありました。